空気が乾燥する冬場は、肌も乾燥しやすく

アトピー性皮膚炎が悪化しやすい時期です。

現在、アトピー性皮膚炎の病人数は46万人とされており

年齢別でみると0~4才が最も多く

5歳以降は一旦減少しますが、15才から再び増加しはじめ

40~44才でもピークがみられます。

 

アトピー性皮膚炎は乳幼児に多くみられる皮膚病ですが

成人になってから発症したり、子供の頃に一度治まっていた症状が

再発するケースもあります。

 

そこで、今回は「アトピー性皮膚炎」を採り上げ

発症の原因と治療法について見ていく事にしましょう。

 

アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎は、皮膚炎を起こしやすい「体質」が元にあり

ここに皮膚炎を悪化させる「環境」が加わることで発症します。

 

体質

皮膚炎を起こしやすい体質には

「皮膚のバリア機能が低下しやすい体質」と

「アレルギーを起こしやすい体質」があります。

これらの体質は、ある程度遺伝的に両親から受け継がれるものになります。

①皮膚のバリア機能が低下しやすい体質

皮膚の表面を覆っている「角質層」には

皮膚の水分蒸発や外部からの刺激を防ぐ「バリア機能」が備わっています。

ところが、アトピー性皮膚炎を起こす人の場合

角質層が剥がれやすく、そのため角質層の細胞間に隙間ができて

皮膚のバリア機能が低下しやすい状態になっていきます。

そうすると、水分が蒸発しやすくなるため、皮膚が乾燥し

外からアレルゲンなどの様々な刺激物が侵入して皮膚炎を起こしやすくなります。

 

②アレルギーを起こしやすい体質

体内にアレルゲンが入ってきたときにアレルギー反応の原因となる

「IgE抗体」を作りやすい体質がアレルギー体質です。

皮膚からアレルゲンが侵入してくると、皮膚で炎症やかゆみなどの

アレルギー症状が起こりやすくなります。

 

環境

乳幼児では、皮膚についたよだれや食べ物による刺激、

汗や衣服との摩擦による刺激、ダニ・ほこりに対する

アレルギーなどが関係して、皮膚炎が悪化します。

 

一方、成人では睡眠不足や疲れ、ストレスなどが

皮膚症状を悪化させる要因となります。

 

皮膚科での治療

アトピー性皮膚炎に対する皮膚科での治療の基本は

「悪化要因の除去」「スキンケア」「薬物療法」の三本柱です。

 

つまり、皮膚炎を悪化させる環境要因を除去し

皮膚のバリア機能を低下を防ぐために保湿剤などでスキンケアを行ったうえで

薬物療法としてステロイド外用剤などを塗って皮膚の炎症や痒みを抑えます。

 

ただ、皮膚科での治療ではアトピー性皮膚炎の完治を目指しているのではなく

ステロイド外用剤などを使って日常生活に影響しない程度に症状を抑え

病気と上手く付き合っていく事を考えていきます。

 

ステロイド外用剤は、使い続けたとしても

皮膚炎を起こしやすい体質を改善することはできませんし

病人の中に「皮膚が薄くなる」「毛細血管が拡張する」といった

副作用を心配して、ステロイド外用剤を使用することに

抵抗を感じている人もいます。

 

漢方によるアトピー対策

アトピー性皮膚炎の体質を改善することのできる漢方薬として

「アクトマン」があります。

アクトマンの構成生薬は次の通りです。

オウレン・オウゴン・オウバク・サンシシ

自律神経の亢ぶりを鎮め、皮膚の炎症を抑えます。

トウキ・シャクヤク・センキュウ・ジオウ

血行・ホルモンバランスの乱れを整えます。

この4つの構成生薬で「四物湯」という基本漢方薬です。

サイコ

体内に生じた毒素の解毒作用を司る肝臓の働きを整える

カンゾウ

アレルギー反応を抑える

 

これら10種類の生薬で構成されるアクトマンは

アレルギー性皮膚炎を改善するお薬であり

アレルギー反応による皮膚の炎症や痒みを抑えます。

 

なお、アクトマンの規定量は1回5錠ですが

アトピー性皮膚炎などのアレルギー性の皮膚病では

血行が促進されることで一時的に痒みや赤みが増すことが考えられます。

そのため、はじめは少なめの1回3錠程度から様子を見て

服用量を加減していきます。

 

また、内服薬のアクトマンに加えて

皮膚症状や患部の悪化に応じて

次のような外用薬を併用するとさらに効果的です。

 

外用薬の使い分け

痒みや炎症が強い時は「ホノザルベ」

ノンステロイドのかゆみ止めで、ジフェンヒドラミン

アミノ安息香酸エチルなどが皮膚の痒みや炎症を鎮め

牡蛎末によって塗った後も患部がサラサラになります。

 

痒み対策と皮膚の保湿に「チェリメントAG軟膏」

ジフェンヒドラミン塩酸塩などがかゆみを抑え

グリチルレチン酸が炎症を鎮めます(ステロイドは配合していません)

また、軟膏気剤には保湿剤の白色ワセリンを使用しているため

アトピー性皮膚炎のスキンケアとしても活用できます。

 

浸出液が出てジュクジュクしているとき「黄色ワグラス軟膏」

ウコン末、オウバク末が炎症を鎮め

ジフェンヒドラミン塩酸塩がかゆみを抑えます。

また、軟膏基材のマクロゴールは

ジュクついた患部の浸出液を吸収します。

 

カサカサしたりかさぶたができているときは「赤色ワグラス軟膏」

紫根・当帰のゴマ油抽出エキスが皮膚の再生力を高め

痒みが治まった後の皮膚をキレイに修復します。

 

患部の消毒に「ネオトラバングリーン」

患部に黄色ブドウ球菌などの細菌が繁殖していると

アトピー性皮膚炎の状態を悪化させるため

入浴後などに患部を消毒することが大切です。