ネオトラバングリーンを使用されている方から

「ペットボトルに薄めて作り置きしておき

消毒に使ってよいか?」

とご質問を受けました。

 

回答

ネオトラバングリーンは、感染症予防を目的とした手指の消毒のほか

アトピー性皮膚炎等の治療における赤色ワグラス軟膏塗布前の消毒

また、頑固な水虫に対するアンカビンとの併用等々

広範囲の場面で活用できる殺菌消毒の液剤です。

 

さて、お尋ねのネオトラバングリーンの

作りおきに関しましては、

ネオトラバングリーンに含まれる成分等の性質上

品質を確保するうえでお勧めいたしておりません。

 

その理由をご理解いただくため

ネオトラバングリーンに含まれている成分等の特性を

まず整理させていただきます。

 

ネオトラバングリーンには

溶液中に2種類の殺菌成分が含まれています。

 

その一つは「ベンザルコニウム塩化物」で

4級アンモニウム塩に属する陽イオン界面活性剤

いわゆる「逆性石鹸」の働きによって殺菌作用を示します。

 

すなわち、陰電荷を帯びる細菌の菌体表面に

陽電荷を帯びるベンザルコニウム塩化物が吸着され

菌体のたんぱく質を変性させることで、黄色ブドウ球菌や

連鎖球菌等のグラム陽性菌、緑膿菌や大腸菌等のグラム陰性菌といった

細菌を中心に効果を発揮するわけです。

 

そして、このベンザルコニウム塩化物とともに

ネオトラバングリーンには

「イソプロピルメチルフェノール」が主薬の殺菌成分として含まれています。

 

このイソプロピルメチルフェノールは

菌体のたんぱく質を変性、細胞膜を破滅作用により

細菌のほかに白癬菌等の真菌に対しても

有効な殺菌効果を示す成分です。

 

しかし、イソプロピルメチルフェノールは

水に不溶な固形成分であることから

水溶液として幅広く活用できるようにするには

工夫を施さなくてはいけない成分でもあるわけです。

 

そこで、ネオトラバングリーンとして製品化するにあたっては

殺菌消毒成分である2つの原料の特性を活かし

イソプロピルメチルフェノールをベンザルコニウム塩化物に

適切な条件下にて加え、液剤化させる方法で製造しているという

大きな特徴があります。

 

ちなみに、この殺菌消毒薬に関する製造方法は

昭和42年に剤盛堂薬品第1号の特許として

その製造方法を取得したもので、このノウハウが

ネオトラバングリーンの製品化に結び付いていることも

お知らせしておきたい点です。

 

そして、この2種類の殺菌成分を配合を可能にした

ネオトラバングリーンは

繁用される10%ベンザルコニウム塩化物溶液に勝る

殺菌効果があるとのデータが実験結果でも出ています。

 

さらにネオトラバングリーンには

2つの殺菌成分とともに、青色の色素である

メチレンブルーを添加し、製造しています。

 

これはネオトラバングリーンを使用目的に応じた

適切な濃度に希釈する際、希釈間違いを防ぐ目的から

加えられているものです。

 

しかし、このメチレンブルーは光に不安定な物質であり

この性質から光による品質低下を防ぐ対策を施す必要があります。

ネオトラバングリーンに遮光容器を用いているのもこのためです。

 

実際、過去に行った実験では

ネオトラバングリーン100mlを遮光容器と非遮光容器に入れ、

室内明所(蛍光灯下2m)で保管し、色調の経日変化を調べたところ

ネオトラバングリーンは光による影響を受けやすいことが分かっています。

 

また、ネオトラバングリーンに含まれる殺菌成分の

含量変化も合わせて調べたところ

ベンザルコニウム塩化物の含量は光に安定である一方

イソプロメチルフェノールは一定の時間を経る中で

光によって徐々に含量が減少する傾向を示すこともわかりました。

 

以上のことから今回のご質問である

「ネオトラバングリーンを希釈しペットボトルに

作り置きする方法」についての回答は

ネオトラバングリーンに含まれる成分等の変化を防ぎ

製品の品質を確保するためにも

基本的には控えていただくほうがよろしいかと考えます。

 

42-01

300ml 2700円+税