漢方と一般的に言われていることとは違うことがよくあります。アレルギー性結膜炎に関してもそのことが言ます。とはいえ、一般的に言われていることを無視してはいけません。なので、まずは一般的なお話からしていこうと思います
結膜炎とは?
結膜炎とは、まぶたと眼球の境目にある薄い膜(結膜)に炎症が起こる疾患です。
結膜はまぶたの裏と眼球側、2つの部位からできていて、異物が溜まりやすい袋状の構造になっているため、感染やアレルギーによって、炎症が起こりやすい場所です。主な症状としては、目のかゆみや充血の他、涙が出る、目の違和感、目ヤニなどがあります。
結膜炎には「感性性」と「アレルギー性」の2つのタイプがありますが、今回は「アレルギー性結膜炎」のお話です。
アレルギー性結膜炎は花粉やハウスダストといったアレルゲン(抗原)に対するアレルギー反応が主な原因で、春や秋のみに発症する季節性のものと、一年中発症する通年性のものがあります。
春は花粉症のイメージが強いと思いますが、秋は様々な花粉が飛散するほかにも、夏に繁殖したダニの死骸がアレルゲンとなる場合も多いためです
ちなみに、感染性結膜炎は夏に発症することが多いです。
アレルギー性結膜炎の原因
アレルギー性結膜炎は結膜にアレルゲンが付着し次のような流れでアレルギー反応が起こっていきます
①目に花粉などのアレルゲンが付着する
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②アレルゲンに特異的なIgE抗体が作られる
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③肥満細胞とIgE抗体が結合する
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④再びアレルゲンが侵入すると、肥満細胞から化学伝達物質が放出される
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⑤化学伝達物質の働きによって目のかゆみや充血などのアレルギー反応が起こる
アレルギー性結膜炎の対策
アレルギー性結膜炎の予防はアレルゲンとの接触をできるだけ避けることが重要です。
アレルゲンが「花粉」の場合
・外出時に花粉防止メガネをかける
・帰宅時に玄関先で服についた花粉を払う
・人口涙液で洗顔をする
アレルゲンが「ダニ」「ハウスダスト」の場合
・部屋の掃除をこまめに行う
・定期的に換気や空気清浄機を使用する。
・布団や毛布を天日干しする
アレルギー性結膜炎の治療薬
アレルギー性結膜炎の症状は肥満細胞から放出されるヒスタミンなどの化学物質によって引き起こされるため、治療はこの化学物質の働きを防ぐか、もしくは肥満細胞からの化学伝達物質の放出そのものを阻害する治療薬が使われます。
・抗ヒスタミン薬
アレルギー反応を引き起こす、ヒスタミンを直接阻害します。
ドラッグストアで売られている花粉症用の目薬がコレですね。
500円前後でお買い求めできますよ。
・ケミカルエディエータ―遊離抑制薬
肥満細胞からアレルギー反応の原因となる化学伝達物質の放出を防ぎます。
病院で処方してもらえるお薬ですね。
ソフトコンタクトレンズをご使用の方はイチイチ外さないといけないのが面倒かな(^-^;
・ステロイド薬
肥満細胞や好酸球などの炎症反応を引き起こす細胞の働きや、これらの増殖に関わるサイトカインの産生などを抑制することで炎症を抑えます
上記二つの治療で効果が見られない場合に使用するお薬です。
・減感作療法
注射で少しづつアレルゲンを注入し、反応を抑えていく方法です。
アレルゲンが少ないうちは効果が期待できる一方で稀にショックなど重篤な副反応もあります。
いかがでしたか?
ここまでが一般的な考え方と治療法ですね。
これで改善されている方は、これで良いと思います(^^♪
問題はこれでも解決できていない方もおられることなんですよね
ここまでの基本的な考え方を無視してはいけませんが、これを踏まえたうえで、漢方の考え方も取り入れてもらえると嬉しいです。
漢方薬から考えるアレルギー性結膜炎
漢方で眼の病は内臓の乱れが関係して起こることがあると考えられています。特に胃が弱い体質の人おいて、目の病気は不要な水分が胃に溜まる「胃内停水」によって起こるのぼせの症状のひとつとされています。
これまでお話ししてきた内容と全く違いますね(笑)
つまり、全く別角度からのアプローチになるので、先にお話ししたお薬と効果がかぶるわけでもなく、変に衝突することもなく安心して一緒にアプローチできるんです。これが漢方の考え方の利点でもあるんですね
アレルギー性結膜炎の漢方薬は
・胃内の不要水分を取り除く
・胃腸の機能を整える
・炎症を抑える
この3つのポイントを主眼に置き
あとは、その方の生活や習慣なども加味して選薬していきます。
機会がありましたら、是非ご相談くださいね