「肝」「心」「脾」「肺」「腎」からなる五臓と「気」「血」「水」
これらが漢方の世界では中心になるのですが
この中で最も「漢方らしい」
というか西洋医学の考えにないのが
『気』
目に見えないものですし、データ化もされない部分でもあります。
科学的ではないんですが、無視できないもの
それが『気』です!
でも、日本語に「元気」「気力」「気合」「気持ち」「気が合う」「気分」など
たくさんの「気」を用いた言葉があります。
つまり、非科学的ではありますが、日本人の遺伝子に脈々と受け継がれてきた概念なんですね。
「気」には、先天的に母親から受け継がれた
『先天の気』と
「肺」の働きで呼吸によって空気中から吸い込まれ
「脾」の働きで食べ物や飲み物から作りあげられる
『後天の気』があります。
そしてそれが全身に、くまなく配られ働いているんです。
「気が持つ7つの働き」
①歩く、走る、話すなど全ての行動は「気」の作用により行われます。また、血液や老廃物などが円滑に進んだり、内蔵の生理機能を促進します。
②身体を温めます。
③余分な排泄や出血を抑えます。
④身体の体表を保護し、ウイルスの侵入などを阻止します。
⑤栄養素から血や水を作り出します。逆に不要なものを排泄物に変えます。
⑥下の方に沈みがちな冷たくて重いものを温めて上の方に運べるようにします。
⑦血や水を体中くまなく流れるように導きます。
このように「気」には生命の原動力といえるほど重要な役割を果たしています。
つまり、肉体として、どんなに完璧でも「気」がなければ、ただの肉の塊になってしまうんですね。
では、気が不足してしまうと…
倦怠感や無力感がでます。風邪もひきやすくなり、手足がひやすくなり、動くとすぐに汗が出ます。また、立ちくらみ起きやすくなります。
このように、「気」の働きに関係するような異常を「気虚」というんですね。
じゃあ、「気」がいっぱいあれば…とも思いますが…
たくさんあってもしっかり流れていなければ役立たず!
量が少なくても、しっかり働いてくれれば問題ないのですが、
たくさんあるのに働かない。
この方が問題なんですね(^_^;)
「気」をスムーズに働かせているのが「肝」
この「肝」の働きが乱れて気の流れが悪くなり、しっかり働いてくれない。
これが「気滞」です。
気がスムーズに流れないと渋滞してしまい、一箇所に充満し張った感じがします。
肩が張ったり、お腹の張り、胸の張りなどがこれですね。
「気滞」は痛みも起こします。
この痛みはハリを伴い、突然痛んだかと思えば急に治ったり、痛む場所が移動したりもします。
このような方は、強い気をもっているのに渋滞してしまい、身体の中に閉じ込めているような感じなので、外側は不足していて憂鬱な感じを与えます。
ちょうど、膨らんだ風船のように、ちょっとしたことで爆発するので、落ち込んだり過敏にイライラしたり…
また、ゲップやオナラ、ため息がでやすいのは、この充満した「気」を発散させるための症状です。
こういった体質の人はアトピーや喘息などのアレルギー症状や自律神経失調症、更年期障害、生理痛、不眠や躁鬱病、便秘症などになりやすいので注意が必要ですし、
症状を抑えながら、漢方で「気」と「肝」両方を整えていくことが大事です。
そのうえで、大きな声で「笑う」
笑うと「気」を一気に活発に流します。
「笑う時間」作りましょうね♬
ヾ(@⌒ー⌒@)ノ