スギ花粉の飛散がピークとなるこの時期…
くしゃみ、鼻水、鼻づまりはもちろん、アレルギー性結膜炎で目の痒みに悩まされる方も少なくありません。
目にあらわれた症状の緩和策といえば、目薬を差したり、洗眼薬で洗い流したりと外からの対策はすぐに思い浮かびますね。
しかし、身体の中から目の健康を守ることも考えなければ症状の改善は一時的なものになってしまいます。
結膜とは、まぶたの裏側の白目の部分を覆う粘膜のことで、付着した花粉などに過敏に反応して炎症が起きると、目のかゆみや充血、涙目などの症状が現れます。
このような症状が悪化しないようにするためには、次の栄養素が欠かせません。
ビタミンB2
ビタミンB2には、皮膚や粘膜などの細胞の再生を促す作用があり、目の表面を覆う結膜や角膜(黒目)を保護する役目をしています。
そのため、体内で不足すると、新たな細胞が作られにくくなり、粘膜が弱くなって、結膜炎が起きやすくなってしまうのです。
ビタミンB2が豊富な食品は牛乳や乳製品、動物のレバー(牛・豚・鶏)で、植物性の食品では納豆に多く含まれています。
ビタミンB6
ビタミンB6には、免疫機能を正常にする働きがあります。
そのため、免疫の過剰反応によって起こるアレルギー症状の緩和に効果があり、アレルギー性結膜炎に有効とされています。
他にも、目のピントを司る組織の代謝を活発にする働きがあり、目を酷使することで起こる眼精疲労の回復に役立ちます。
このビタミンB6は魚に多く含まれており、魚離れが進む現代人を考えると不足しやすい栄養素と言えますので、積極的に食卓に取り入れることをお勧めします。
ビオチン
ビオチンはもともと皮膚炎の予防因子として発見されたビタミンで、皮膚や粘膜の健康を保つように作用することが分かっています。
そのため、体内にビオチンが不足すると、皮膚炎や結膜炎などを起こしやすくなります。
このビオチンは、肉類をはじめ、魚や野菜、乳製品など、幅広い食品に含まれておりますので、バランスの良い食事を心がけていれば、十分に摂取することができます。
これまで挙げたビタミン類はいずれも水溶性のビタミンで、不要になるとすぐに尿中に排泄されてしまうため、摂り溜めておくことができません。身体の中で不足しないよう、毎日の食事に取り入れることを意識しておきましょう。
乳酸菌
腸内には、善玉菌と悪玉菌と呼ばれる細菌が存在していますが、乳酸菌は善玉菌の一種で、腸に生きたままで届くと腸内の他の良い菌を活性化させてくれる一方、悪い菌の増殖を抑えてくれます。
このように乳酸菌が腸で働くと、腸内環境が整って免疫力が高まり、アレルギーの発症が抑えられると考えられているので、アレルギー性結膜炎に対する効果も期待できます。
ヨーグルトやチーズなどは乳酸菌を使って発酵させているため、多く含まれています。
また、漬物や醤油、味噌、キムチなどの発酵食品にも乳酸菌が豊富に含まれていますので、食卓の一品に加えておきたいものです。
花粉が飛散するシーズンを楽に乗り越えるためにも、目の健康を守る対策として、日ごろの食生活から取り組んでいきましょうね。