湿邪の特徴
沈重性がある
湿邪は重いので、湿邪に侵された部位は重い・重だるいなどの沈重性を伴う症状があらわれます。
具体的には、体が重怠い、手足が重怠い、頭が重い(頭重)、重だるい痛みなどの症状。
下を侵す
湿邪の沈重性は下降性を持ち、下半身、下肢に流れ込みやすいです。
例えば、膝が重い、足が重怠い、下半身が浮腫むなどの症状をあらわします。
定着する
湿邪は定着性が高いため、いったん体内に侵入すると、
なかなか取り除くことができません。
そのため症状が長引き、なかなか治りにくいのも特徴です。
粘膩である
粘膩とは粘り気があり汚いことをさします。
具体的には、湿邪による症状の特徴はネバネバ、ベトベト、ジメジメなどの感じ。
例えば、痰がネバネバする、汗がジトジトする、大便がベトベトして便器を汚す。
舌苔が厚くネバネバして汚いなどの症状があらわれます。
また、ジメジメした雨の日や湿気の強い日に症状が悪化する徳特徴があります。
脾を傷りやすい
湿邪が体内に停滞すると脾の運化作用を妨げます。
元来、脾は乾燥を好み湿気を嫌う臓器です。
そこで湿邪が体内に停滞すると脾を侵し、脾の運化作用が失調してしまいます。
具体的には、食欲が落ちたり、腹が痞えたり、悪心、嘔吐、手足が浮腫む
手足が重いなどの症状が現れます。
気の運行を妨げる
湿邪は同じ場所に停滞しやすいです。
そのため気の運行を阻み、痛みを発生させやすいです。
例えば、関節の腫れと同時に、気の運行停滞の症状である脹った痛みがあることは臨床上よく見られます。
湿邪の病証
湿邪が表に侵入したときの病状
頭痛、頭重、発熱、汗が出ない(無汗)あるいはジトジトした汗が出るなど
湿邪が皮膚に停滞したときの症状
湿疹。
湿疹は少し盛り上がり、搔きこわすとジュクジュクし、皮膚がジメジメするなど
湿邪が経絡や関節に停滞したときの症状
重だるい痛み(痛む場所は一定)、関節痛、関節の腫脹、運動制限
あるいはしびれ、ジメジメした日に悪化するなど