玉屏風散(ぎょくへいふうさん)は
風邪に当たるとゾクッと寒気を感じる、
冷えて鼻水が出始めると汗をかきやすいなど
外からの邪の侵入を防ぐことができずに
すぐに風邪をひいてしまう方や
風邪をひいたら長引いてしまう方にお勧めの漢方薬です。
処方名の「玉屏風散」には屏風(びょうぶ)を立てて風邪の侵入を防ぐという意味があり
身体の抵抗力が弱い方の疲れやだるさに適しています。
また、「玉」には大変貴重なものという意味があります。
玉屏風散は、黄耆、白朮、防風の三味だけという単純な構成になっています。
黄耆は益気固表し、白朮で脾気を補い、防風で風邪を去るという目的で配合されています。
今回は構成生薬の一つである「白朮」について紹介します。
オケラの根茎が基原です
株により雄しべと雌しべを持つ両性花のものと、雄しべだけの単性花のものが知られています。
オケラは日本に自生するキク科の多年草で、
頭花は白色か淡紅色で魚の骨のような苞が特徴です。
オケラは邪気を払うとされ、京都祇園の八坂神社では、
白朮祭(をけらさい)で大晦日から元旦早朝まで焚かれるそうです。
同時にをけら酒(お屠蘇のⅠ種)もふるまわれるそうです。
新芽は美味しい山菜として知られており、信州の里歌の中に
「山でうまいはオケラにトトキ、里でうまいはウリ、なすび、嫁に食わすも惜しゅうござる」
と詠われます。
そんな白朮を含む「玉屏風散」
風邪の予防にご活用ください(#^.^#)