この項でいう「風邪」とは中医学上の六淫のうちの一つ「風邪(ふうじゃ)」の事で
「風」の外因(邪気)によって起こる病変の事ですから
一般的に言う「風邪症候群」とは重なる部分もありますが
違う部分もありますので、その点を考慮の上お読みくださいね。
変化が敏速
風邪は病状の進展がめざましく速く、変化しやすいのが特徴です。
具体的には、感冒にかかったのち、寒気が起こり
何時間も経たないうちに、発熱・鼻水・のどの痛みなどの症状が現れ
さらに翌日には、高熱の咳、痰を吐くなど
症状が素早く変化していきます。
ここは一般的な風邪症候群と同じですね。
遊走性・移動性がある
病変部位が変化するのも特徴の一つです。
具体的には疼痛部位が移動する遊走性の疼痛や
痒みが移動したり、発疹の部位が移動したりします。
上半身・皮膚を侵す
風邪は性質が軽いため、頭部・顔面部などの上半身、
あるいは皮膚表面部に症状が現れやすいです。
具体的には、うなじや背中の寒気(悪寒)や
頭面部の症状である頭痛、めまい、
皮膚症状のかゆみ、発疹などがあります。
動揺する
動きを伴う症状が多いのも特徴です。
具体的には、ぐるぐる回る感じのめまい、痙攣、震えなどの症状があります。
他の邪気を先導する
これが一番の特徴かもしれませんが
「風邪」は単独で人体に侵入することは少なく
他の六邪を伴い侵入することが多いです。
「風寒」「風熱」「風湿」など
風邪の病証
風邪が表にあるときの症状
寒気(悪寒)、温めると緩解。
発熱、汗が出る(自汗)、頭痛、鼻づまり、のどの痒み、軽い咳など
風邪が皮膚に停滞したときの症状
発疹・皮膚の痒み。
発疹あるいは痒くなる場所が急に発生し、移動したり増減するなど
一定しないのが特徴です。
風邪が経絡に停滞したときの特徴
走行性の痛み、しびれ、ひきつれ、こわばりなど