便秘とは?
「便秘」とは、腸の中で大便が滞った状態です。
便秘のはっきりとした定義はなく、一般的には「3~4日以上便通がない」場合に
便秘と言われることが多くあります。
ただ、毎日排便があっても「スッキリ便が出ない…」「便が硬い…」といった
症状を不快に感じていれば便秘という事もあり
排便の頻度や不快感の有無で判断します。
便秘のタイプ
①機能性便秘
腸の働きが鈍くなったり、痙攣するなど、機能が悪くなって起きる。
機能性便秘はさらに4つの種類に分けられます
・食事性便秘
原因…繊維の少ないかたよった食事、ないし小食
養生…繊維の多い野菜や果物を意識的に摂取する
・直腸性便秘
原因…度重なる排便刺激の無視、下剤・浣腸の誤用や乱用
養生…規則的な排便習慣の確立
・弛緩性便秘
原因…大腸の緊張の低下・運動の鈍化
腹筋力の衰えのため排便時に十分な腹圧が得られない。
養生…繊維の多い食事、適度な運動
・痙攣性便秘(過敏性腸症候群)
原因…ストレス
②器質性便秘
腸で潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性の病気を起こしていたり
ポリープなどができるなどして腸管内が狭くなり
便がスムーズに通過できないために起こります。
女性が便秘に悩まされやすい理由とは?
①女性ホルモンの影響
女性ホルモンの「黄体ホルモン(プロゲステロン)」は
大腸の蠕動運動を抑える作用があります。
そのため、黄体ホルモンの分泌が活発になる排卵~月経までの期間になると
便秘しやすくなります。
②筋力不足
一般的に男性に比べ女性のほうが筋力は弱いものです。
腹筋は便を外に押し出すのに必要な筋肉で
その力が弱いため、便秘になりやすくなります。
③ダイエットと水分
ダイエットに取り組む女性は多く、食事を制限することによって
便の嵩が減りますし、食物繊維や水分の摂取量も減るため
便が硬くなってしまい出にくくなります。
便秘が高齢者に多い理由
①食事の量が減る
高齢になると、若いころに比べて食事の量が減ってきます。
それに伴い大便の量も少なくなるため
便意を催しにくくなります。
②腸の働きが低下する
加齢に伴って、腸の働きが低下し、大便が腸にとどまる時間が長くなることによって
便が硬くなって出にくくなります。
③便を押し出す力が弱くなる
排便するときに必要な腹筋や肛門括約筋が弱くなってしまい
便を押し出しにくくなります。
④便意を感じにくくなる
大便が直腸に到達すると、直腸の神経が感知して大脳を刺激し
便意を感じますが、加齢に伴い直腸の知覚が低下して
便意を感じにくくなり、そのため、排便のタイミングを逃し
直腸性便秘となってしまいます。
実性便秘と仮性便秘
漢方ではこれとは別に便秘を実性便秘と仮性便秘に分けます。
実性便秘
・体力がある人の便秘
・1~2日排便がないと強いのぼせなどの不快感が出る
・下剤を服用しても平気、むしろスッキリする
仮性便秘
・体力がない人の便秘
・3~4日排便がなくても、不快感はない
・下剤を服用すると、腹痛を起こすタイプ
その他
これらのほかにも、胆汁分泌不足や睡眠時間の不規則
服用中の医薬品の副作用なども
便秘の原因となることもあります。