生活の乱れから「気・血・水」と「五臓六腑」のバランスが崩れ、身体が傾き、様々な症状が現れると考え、身体の傾きを立て直しながら、症状をとっていくというのが漢方薬の基本的な考え方です。
例えば風邪の初期に飲む「葛根湯」。これをだらだらと長く飲んでも意味はないですよね。サクッと効果が出てくれないと意味がないお薬です。つまり、漢方薬の中にも早く効くものもある。ということなんですね。
同じように「葛根湯」を例えにすると、葛根湯は毛穴を開く薬になるので長く飲み続けると、無意味な寒気が強くなったり頻発したりしますので長期服用は控えたい漢方薬になります。もちろん、他にも「即効性」があり、「長期服用は控えたい」漢方薬もありますので、気を付けてください。一方、慢性病の場合はやはり、長く飲んでいただく必要があります。
慢性病の漢方薬は、おそらく皆さんが一般的に考える漢方薬と同様の特性があります。例えば、「長期にわたり摂取し、徐々に健康を回復させる。その上で、安全性が高く、長期間の服用にも適しています」といった点が挙げられます。
一方で、漢方の専門家がよく口にする言葉には興味深いものがあります。「高血圧の薬は血圧を下げますが、中止すればすぐに上昇する。それは根本的な治療ではなく、薬の効果で一時的にコントロールされているだけ。ですので、体質改善が可能な漢方薬を摂るべきだ」という主張があります。しかし、これとは裏腹に、何年も漢方薬を継続的に摂らせている専門家も見受けられます。
漢方薬を摂りながらできることを実践してみましょう。漢方薬は、自らでは改善が難しかった側面に僅かながら影響を与えるサポート的な役割を果たします。
できれば、摂取を始めてから1か月ほどで、具体的な改善が見られることを期待しています。例えば、爪の成長が早まり、髪の毛が元気になり、生理が少し楽に感じられるなど、個人差はありますが、少しずつ変化が表れるでしょう。
そして、慢性病の治療は一直線に進むものではありません。改善と悪化を繰り返しながら、悪化しても以前ほどひどくならず、改善しても以前ほど良くはない、というパターンが現れるかもしれません。